高尿酸血圧(痛風)
「足の親指の付け根が急に腫れて、触れるだけで激痛が走る」
「健康診断で尿酸値が高いと指摘された」
それは、高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)や痛風のサインかもしれません。
痛風は「風が吹いても痛い」と言われるほど強烈な関節の痛みを伴いますが、その背後にあるのが、血液中の尿酸が基準より高い状態=高尿酸血症です。
羽尾内科医院では、痛風発作の治療だけでなく、生活習慣病としての高尿酸血症の長期管理や合併症予防にも力を入れています。
高尿酸血症(痛風)の原因
高尿酸血症は、体の中で作られたり、食事から摂取された「プリン体(核酸の一種)」が代謝されてできる尿酸が、腎臓から十分に排泄されないことで起こります。
主な原因
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プリン体の多い食事(肉・レバー・ビールなど)
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アルコールの摂取(とくにビール・焼酎)
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肥満・メタボリックシンドローム
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運動不足
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脱水状態
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遺伝的体質
特に男性に多く、40代〜50代を中心に発症することが多いです。女性でも閉経後は発症リスクが上がります。
痛風の症状について
痛風は、高尿酸血症の状態が続いた結果、体の中に「尿酸の結晶」がたまり、関節に炎症を起こすことで発症します。
痛風発作の典型的な症状
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足の親指の付け根が突然激しく腫れる
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夜間や早朝に発作が起こることが多い
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発赤・熱感・ズキズキする痛み
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数日〜1週間程度で自然に治まるが、再発を繰り返す
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他の関節(足首・膝・手首)に出ることもある
発作を繰り返すうちに、関節の変形や腎臓機能の低下を引き起こすこともあります。
高尿酸血症が引き起こす合併症
高尿酸血症は痛風だけでなく、さまざまな合併症のリスク因子ともなります。
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尿路結石(腎臓や尿管に結晶ができて激痛を伴う)
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慢性腎臓病(CKD)
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動脈硬化・高血圧・脂質異常症
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心筋梗塞・脳卒中のリスク増大
つまり、高尿酸血症は放置すると命にかかわる生活習慣病につながる可能性もあるため、適切な管理が必要です。
高尿酸血症・痛風の診断基準
血液検査で尿酸値を測定します。
通常、尿酸値が7.0mg/dL以上で高尿酸血症と診断されます。
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痛風の既往がある方
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尿酸値が継続して7.5mg/dL以上の方
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高血圧・糖尿病・脂質異常症など他の生活習慣病を合併している方
このような方は、積極的な治療が推奨されます。
高尿酸血症・痛風の治療法
当院では、急性の痛風発作の対応と、再発を予防する長期管理の両方に対応しています。
1. 痛風発作時の治療
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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
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コルヒチン(炎症を抑える薬)
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安静とアイシング
※発作中は尿酸を下げる薬は開始しません。
2. 尿酸値を下げる長期治療(再発予防)
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尿酸生成抑制薬(アロプリノールなど)
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尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど)
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水分を十分にとり、脱水を防ぐ
3. 生活習慣の見直し
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プリン体の多い食品の摂取を控える
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アルコール(特にビール)の制限
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肥満の改善、運動習慣の確立
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水分摂取(1日2リットルを目安に)
症状が落ち着いていても、再発や腎機能低下を防ぐためには継続的な治療が大切です。
高尿酸血症(痛風)についてのよくある質問
Q1. 痛風は1回治ればもう大丈夫ですか?
A1. 痛風発作が治まっても、尿酸値が高い状態が続くと再発します。再発を防ぐために継続的な治療が必要です。
Q2. 薬を飲み始めたら一生続けるのですか?
A2. 数値や体質によっては減薬・中止も可能ですが、自己判断でやめるのは危険です。定期的な医師の管理のもとで調整します。
Q3. ビールをやめれば治りますか?
A3. ビールだけが原因ではありません。食生活や体質全体を見直すことが大切です。
院長より
痛風は、「贅沢病」と言われることもありますが、実際は体質や日常生活のちょっとした積み重ねで誰にでも起こりうる病気です。
また、尿酸値が高いだけで、動脈硬化・腎障害といった深刻な合併症の原因にもなります。
羽尾内科医院では、痛みの治療だけでなく、再発予防・生活指導までしっかりと対応いたします。
循環器の視点から心血管リスクも評価しながら、総合的に体の健康を守るお手伝いをいたします。
JR北浦和駅から徒歩10分。駐車場8台完備。女性医師も在籍し、安心してご相談いただけます。
