心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓に栄養や酸素を送る冠動脈が急に詰まってしまい、心筋(心臓の筋肉)が壊死してしまう病気です。突然起こる激しい胸の痛みが特徴で、命に関わる緊急疾患のひとつです。
羽尾内科医院(さいたま市浦和区・JR北浦和駅より徒歩10分)では、循環器専門医による心臓病の診療を行っています。
発作後のフォローアップや生活習慣の見直し、再発予防のための診療を重視し、再発のない生活を支援してまいります。
心筋梗塞の症状について
心筋梗塞の典型的な症状は、強い胸の痛みですが、人によって異なる表れ方をすることもあります。
以下のような症状が見られた場合は、一刻も早く救急対応が必要です。
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胸の中心を締めつけられるような激しい痛み(冷や汗や吐き気を伴うことも)
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痛みが数十分以上持続する
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前胸部の圧迫感や締め付け感 顎、肩(特に左肩)、背中、みぞおちなどへの放散痛
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呼吸困難・動悸・めまい・失神
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高齢者や糖尿病の方では痛みがなく「息切れ」「倦怠感」のみのことも
特に、過去に狭心症・高血圧・糖尿病・高脂血症がある方は、発症リスクが高くなります。
心筋梗塞の原因について
心筋梗塞は、動脈硬化が進行して冠動脈に血栓(血のかたまり)ができ、血管を塞いでしまうことで起こります。
その背景には、以下のような生活習慣や体質的な要因があります。
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高血圧症
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糖尿病
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高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
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喫煙習慣
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肥満
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加齢(特に男性は50代以降、女性は閉経後)
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ストレスや過労
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睡眠時無呼吸症候群
これらは「動脈硬化を進めるリスク因子」と呼ばれ、重なるほど心筋梗塞の危険性が高まります。
心筋梗塞の種類について
心筋梗塞は、次のように分類されます。
1. ST上昇型心筋梗塞(STEMI)
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血管の完全な閉塞によって起こる重篤なタイプ
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緊急のカテーテル治療が必要
2. 非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)
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血流が部分的に阻害された状態
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症状が軽く見えても放置すれば命に関わる
また、心筋梗塞の前段階として「不安定狭心症」があり、前ぶれ症状を見逃さないことがとても重要です。
心筋梗塞の治療法について
心筋梗塞の急性期には、入院やカテーテル治療(PCI)などが行われ、血管を速やかに再開通させる必要があります。
当院では、急性期後の継続管理や再発予防のための治療・生活指導を行っています。
1. 再発予防のための薬物療法
心筋梗塞後は再発の危険が高いため、以下の薬剤を組み合わせて使用します。
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抗血小板薬(血栓予防)
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スタチン系薬(コレステロール管理)
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β遮断薬(心臓の負担軽減)
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ACE阻害薬/ARB(血圧・心臓保護)
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利尿薬(心不全を予防)
2. 生活習慣の見直し
再発を防ぐために、生活全体の見直しが必要です。
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食事療法(減塩・低脂肪・適正カロリー)
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禁煙(喫煙は最大の危険因子です)
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適度な運動(医師と相談のうえ再開)
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ストレスマネジメント
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睡眠の質の改善
3. 定期的な検査・フォローアップ
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血液検査(脂質・血糖・炎症マーカー)
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心電図・心エコー・運動負荷検査 など
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他院での入院歴をふまえたサポートも行っています
4.コレステロール管理
心血管疾患後のLDLコレステロールの管理目標値は70mg/dl未満であり、当院ではスタチン、エゼミチブ、PCSK9阻害薬を使用した積極的な管理を行なっています。
心筋梗塞についてのよくある質問
Q1. 心筋梗塞は一度治療すれば安心ですか?
A1. 治療後も動脈硬化の進行や再発リスクがあります。お薬の継続や生活改善を怠らないことが大切です。
Q2. 発作後、どれくらいで普段の生活に戻れますか?
A2. 個人差はありますが、1~2か月程度で日常生活に復帰される方が多いです。主治医と相談しながら無理のない範囲で再開します。
Q3. 痛みがない心筋梗塞もあると聞きましたが本当ですか?
A3. はい、特に糖尿病の方や高齢者では「無痛性心筋梗塞」といって胸痛がない場合もあります。定期的な検査が大切です。
院長より
心筋梗塞は、ある日突然、命を脅かす病気ですが、早期発見・治療後の管理次第で再発を防ぐことが可能です。
羽尾内科医院では、狭心症や心筋梗塞の経験がある方、またリスク因子を複数抱えている方に対し、循環器専門医として**「ふたたび発作を起こさない」ための丁寧な診療**を行っています。
JR北浦和駅から徒歩10分、駐車場完備、女性医師の在籍など、地域のかかりつけ医として安心して通える環境を整えております。
「退院後、どこで管理してもらえばよいか分からない」「循環器の専門的なフォローがほしい」といった方も、ぜひお気軽にご相談ください。
